JIS C2553-2019 pdf download.方向性電磁鋼帯.
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 2550-1によるほか,次による。
3.1 横曲がり(edge camber) 鋼帯の圧延方向のエッジの2部位を結ぶ線分とエッジとの間の最大距離。 注記 JIS C 2550-2参照。
3.2 側波(edge wave) 鋼帯のスリットエッジにおける波形状であり,波形係数で表したもの。 注記 側波は,百分率で示す。
3.2A 波形係数(wave factor) 波の高さと波長との比。
3.3 繰返し曲げ回数(number of bends) 試験片を交互に反対方向に90°曲げることを繰り返し,試験片の地鉄部分に目視,クラック音などで確認できる割れが生じる前までの曲げ回数。 注記 この回数は,鋼帯の延性を示す一つの指標となる。
3.4 内部応力による切断線の変化(deviation from the shearing line due to internal stresses) 圧延方向に切断した鋼帯のエッジを再び合わせたときの,切断エッジの間の最大距離。 注記 JIS C 2550-2参照。
4 分類 この規格で取り扱う鋼帯の種類は,次によって分類する。
− 呼称厚さ(0.23 mm,0.27 mm,0.30 mm及び0.35 mm) − 周波数が50 Hzで最大磁気分極が1.7 Tにおけるキログラム当たりのワット値(W/kg)で表す鉄損W17/50の最大値
− 磁界の強さ800 A/mにおけるテスラ値(T)で表す磁気分極の最小値 − 磁区制御処理の有無
5 鋼帯の種類の記号 鋼帯の種類の記号は,表1,表2及び表2Aによる。 鋼帯の種類の記号の表し方は,次による。
a) ミリメートルで表される鋼帯の呼称厚さの100倍
b) 材質を示す文字
− 普通材であることを示す文字 G
− 高磁束密度材であることを示す文字 P
− 磁区制御材であることを示す文字 R
c) W/kgで表される1.7 T,50 Hzにおける鉄損最大値を100倍した値 種類の記号の表し方の例を次に示す。
6 一般的要求事項
6.1 製造方法 鋼帯の製造方法及びその化学組成は,この規格では規定しない。
6.2 供給形態 鋼帯は,巻取り状態のコイル,又は切断若しくは積層した切板束(バンドル)の形態で供給する。
コイル又は切板束の質量は,発注時に受渡当事者間で取り決める。
コイルは,通常,1条とする。ただし,1コイルに2条以上を巻き込む場合は,1条の長さは通常,200 m以上とする。 なお,使用上差し支えない程度に溶接したものは1条とみなす。
コイルの内径は,500 mmから520 mmまでの間とし,約508 mmを推奨する。 切板束は,積層側面を実質的に平面とみなし,上端面に垂直となるように積層する。
コイルは,幅が一定で両側面が実質的に平面とみなせるよう,エッジをそろえて巻き取る。
コイルは,自重で潰れたりすることがないよう十分堅く巻き取る。
コイルは,発注時に受渡当事者間の協定があれば,不良部分を除去し,つなぎ合わせのための溶接部又は巻込み部があってもよい。溶接部又は巻込み部のマーキングの有無は,受渡当事者間の協定による。 溶接部又は巻込み部をもつコイルの場合,各片の鋼帯は,いずれも同じ種類のものでなければならない。
つなぎ合わせのため溶接した各片の鋼帯のエッジは,その後の作業に支障が生じるほど不ぞろいがあってはならない。
コイル又は切板束は,輸送及びその他の取扱い中に変形又は変質しないように包装しなければならない。
6.3 納品状態 鋼帯は,通常両面に絶縁皮膜を施して納品する。一般的な皮膜は,JIS C 2557に基づくEC-2皮膜の上にEC-5-G皮膜を施したものである。 注記1 一般的な皮膜は,マグネシウムのけい酸塩からなるガラス質一次皮膜の上に,通常は平たん化焼なまし時にりん酸塩などの無機質二次皮膜を施したものである。製造業者の推奨指定する応力除去焼なましに耐え,かつ,絶縁ワニス,変圧器油,機械油などに侵されず,鋼帯によく密着していることが望ましい。 注記2 特別な場合は,他の皮膜も使用できる。
6.4 表面状態 鋼帯の表面は,平滑でグリースの付着及びさび(錆)のない清浄なものでなければならない。すりきず,膨れ,亀裂,皮膜の剝離などが所々に発生していても,これらが7.2.1に規定する厚さの許容差内であり,使用上支障がなければ,許容される。溶接部などの若干の正常でない部分での限度は,受渡当事者間の協定による。 鋼帯表面の絶縁皮膜は,鋼帯の切断加工時又は製造業者の指定する条件での熱処理時に剝がれたりしないよう,強固に密着していなければならない。 目視検査において,さびと製造工程における絶縁皮膜の変色とを混同しないよう注意する。 鋼帯を液に浸して用いる場合には,液と皮膜との両立性に関して受渡当事者間で協定することが望ましい。
6.5 切断性 鋼帯は,いかなる部分でも,適切な工具を用いることによって,一般的な形状に正確に切断することが可能でなければならない。
7 特性及び許容値
7.1 磁気特性
7.1.1 一般事項 7.1.2及び7.1.3に規定する特性は,6.3に規定する納品状態及び8.3.1に規定するエージング処理を行った製品に適用する。 磁気特性の測定には,試験片の切断後に製造業者の指定する条件で応力除去熱処理を行ったエプスタイン試験片を用いる。 単板測定試験に用いる試験片の場合は,熱処理を行わない。
7.1.2 磁気分極 50 Hz又は60 Hzでの磁界の強さが800 A/mの場合の磁気分極J8ピーク値の最小値は,表1,表2及び表2Aによる。
7.1.3 鉄損 50 Hz又は60 Hzにおける鉄損最大値は,表1,表2及び表2Aによる。JIS C2553 pdf download.