JIS D0889-2020 pdf download.先進事故自動通報− 救急自動通報システム(D-Call Net)− 傷害リスク曲線の作成方法及び評価方法
2 引用規格
この規格には,引用規格はない。
3 用語及び定義 この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1 イベントデータレコーダー(EDR) 自動車に搭載された,エアバッグの展開を伴う衝突などの事象の前後の時間において,車両速度などの車両状態に関わる計測データを時系列で記録する装置又は機能。
3.2 自動車計測情報 自動車内部に計測器を搭載し,走行速度及び加速度,シートベルト着用の有無などを計測し,イベントデータレコーダー(EDR)に記録された情報。 注記 製造業者及び車種によって,計測項目は異なる。
3.3 通信事業者 自動車計測情報を受信し,搬送機関及び/又は病院へ通報する事業者。
3.4 先進事故自動通報システム 交通事故の発生を自動的に通報する機能に加えて,自動車計測情報及びそれらを活用した付加情報を通報する機能をもつ事故自動通報システム。
3.5 救急自動通報システム,D-Call Net 自動車計測情報から傷害リスク曲線を用いて負傷者の傷害程度を判定し,判定結果,事故の発生場所,時刻などの通信事業者から通報された情報を基に,消防及び救命医が救急車,ドクターヘリ,ドクターカーなどによって現場へ出場する先進事故自動通報システム。
3.6 傷害リスク曲線 交通事故が発生した際の負傷者の傷害の程度を判定する曲線。
3.7 交通事故データ 調査項目別に交通事故をまとめたデータセット。
注記 日本国内では,公益財団法人交通事故総合分析センターが日本国内で発生した交通人身事故全てを調査項目別にデータ化している統計データと同センター又は大学,研究機関などが個別の交通事故を調査項目別にデータ化している事故例データがある。
3.8 アンダートリアージ システムが軽症又は無傷と判定したが,実際は重症又は死亡であったもの。
3.9 アンダートリアージ率 アンダートリアージ(3.8)の件数を,重症又は死亡を重症又は死亡と判定した件数とアンダートリアージ(3.8)の件数の和で除したもの。
3.10 オーバートリアージ システムが重症又は死亡と判定したが,実際は軽症又は無傷であったもの。
3.11 オーバートリアージ率 オーバートリアージ(3.10)の件数を,軽症又は無傷を軽症又は無傷と判定した件数とオーバートリアージ(3.10)の件数の和で除したもの。
4 傷害リスク曲線
4.1 一般 この箇条は,交通事故時の負傷者の傷害リスク曲線の作成方法及び評価方法について規定する。過去の交通事故データから統計解析手法によって,事前に事故要因xiと負傷者の傷害程度との関係を表す関数Pを導き出す。事故が発生した自動車計測情報と事故要因xiとを対応させ,負傷者の傷害程度を導出する。
4.2 過去の交通事故データの種類 海外では軽自動車がないなど,日本国内と異なる交通環境にあるため,過去の交通事故データは,日本国内で発生した交通事故データを用いる。また,傷害リスク曲線作成時の最新の衝突安全法規に適合した自動車を対象とする。
4.3 統計解析手法 統計解析手法は,過去の交通事故データからロジスティック回帰モデル(4.5参照)によって,負傷者の傷害の程度を表す関数を事故要因の項目及び重み係数βiによって導出する。 なお,事故要因の項目及び重み係数の参考例を,表1に示す。JIS D0889 pdf download.