JIS E4071-1-2019 pdf download.鉄道車両−車上エネルギー貯蔵システム− 第1部:シリーズハイブリッドシステム.
4 ハイブリッドシステムの電源構成
4.1 一般
4.1.1 概観 この規格で適用するシリーズハイブリッドシステムは,種々の電源構成を取り得る。箇条4に数例を挙げて可能な構成の概要を示す。しかし,これらの例は最終システムを制約するものではない。
4.1.2 システム構成の要求事項 箇条1に示すようにシリーズハイブリッドシステムは,一つのESSを含む二つ以上の電源と主たる負荷となる主回路装置とで構成する。システムは,主回路装置が回生ブレーキ時に発生する電力を完全,又は一部吸収できない場合に,ブレーキ抵抗器のような従たる負荷を設ける場合もある。これらのシステムは電気的に接続され,電力を相互に交換可能とする。主回路装置に加えてシリーズハイブリッドシステムは,一つ以上の補助電源装置(APS)を設ける場合がある。しかし,APSとシリーズハイブリッドシステムのほかのサブシステムとは電気的に接続される場合,非電気的に接続される場合,又は接続がない場合,すなわち,APSが主回路から独立している場合がある。APSを主回路に接続する場合は,エネルギー消費に重大な影響があるので,補助負荷を考慮しなければならない。
図2は五つのサブシステム,つまり主電源(PPS),エネルギー貯蔵システム(ESS),主回路装置(TE),補助回路機器(AUX)(APS及びその補助負荷)及び従たる負荷としてのブレーキ抵抗器(BR)がある場合の,シリーズハイブリッドシステムのブロック図の例である。図2でブロック間のリンクは,この主なサブシステム間での電力の受渡しを示す。 図2に示すようにPPSの可能な構成は,次のようになるが,これに限るものではない。
・ ディーゼル発電機と電力変換装置との組合せ
・ 燃料電池及び電力変換装置
・ 直流架線
・ 交流架線及び電力変換装置 図2に示すようにESSとして使用可能な貯蔵技術は,次のようになるが,これに限るものではない。
・ リチウム二次電池 ・ ニッケル水素電池
・ 電気二重層キャパシタ(EDLC)
・ フライホイール 図2に示すように主回路装置として使用可能な構成は,次のようになるが,これに限るものではない。
・ 四象限チョッパ装置及び直流主電動機
・ 電圧形インバータ及び誘導主電動機
・ 電圧形インバータ及び永久磁石同期電動機 注記 箇条4の負荷という用語は,図2においてリンクブロックから受電するサブシステムを表す。これらのサブシステムは,常に一般的な意味合いでの負荷とみなされる訳ではない。例えば,主回路装置は,車両を加速するためにけん引力を発生し,ときには車両の電力源とみなされる。
4.1.3 シリーズハイブリッドシステムの主な運転モード 図2においてリンクブロック及び五つの主なサブシステムの電力の流れは,次のとおりである。
a) PPPSで示すPPSとリンクブロック間
b) PESSで示すESSとリンクブロック間
c) PTEで示すリンクブロックと主回路装置間
d) PBRで示すリンクブロックとブレーキ抵抗器間 e) PAUXで示すリンクブロックと補助回路機器(AUX)間 この機器間で,及びc) は双方向で,PPPS,PESS及びPTEは,正負両方の値を取り得る。 ・
d) は一方向で,PBRは負にはならないが,ゼロは取り得る。 ・
e) も一方向であるが,d) と異なりPAUXは,常に正で作動中はゼロにならない。
図2でこれらの値の符号(+,0及び−)及びその電力の流れの方向は,次のとおりである。例えば,PPS又はESSから電力を得てハイブリッド車両が加速するときなど,電源サブシステムからリンクブロックへの電力の流れ及びリンクブロックから,負荷サブシステムへの電力の流れの方向を正と定義している。JIS E4071-1 pdf download.