JIS L1940-1-2019 pdf download.繊維製品−アゾ色素由来の 特定芳香族アミンの定量方法− 第1部:繊維の抽出及び非抽出による 特定アゾ色素の使用の検出.
5 原理
繊維製品から着色された試料を採取した後,分散染料のための染料抽出法及び/又はその他の種類の色素すなわち顔料及び/又は染料に対する直接還元法によって求められる。
染料抽出法及び直接還元法を組み合わせた方法又はいずれか一つの方法を適用するかは,試料の繊維組成(単一の繊維組成又は混用品)及び着色方法(染色又はプリント)によって決定する。
分散染料に対して抽出法を実施する場合は,図1に示す抽出装置のヘッドスペースに繊維を入れ,キシレンを用いて,染料を還流抽出する。
抽出液を濃縮し,メタノールを使って反応容器に移し,次に,pH6のクエン酸塩緩衝液中70 ℃で,亜ジチオン酸ナトリウムで還元する。 キシレン抽出後も試料が完全には脱色しない場合は,新しい試験試料を準備し,直接還元法で再度処理する必要がある。直接還元法を実施する場合は,密閉容器に入れてpH6のクエン酸塩緩衝液中70 ℃で亜ジチオン酸ナトリウムで還元処理する。
還元によって反応工程から放出されたアミンは,けい藻土を詰めたカラムで液−液抽出によってt-ブチルメチルエーテル相に移す。
次に,t-ブチルメチルエーテルを濃縮し,残さを適切な溶剤に溶解し,クロマトグラフィーでアミンを同定する(附属書A参照)。 スクリーニング方法として,けい藻土カラムを使わずに液−液抽出による手順を,附属書Eに記載する。 いずれかのクロマトグラフィーでアミンが検出された場合は,別に一つ以上の方法で確認する。 また,附属書Fに色素からのアミンの定量方法を規定する。
6 安全措置 警告 表1に示すアミンは,人に対する発がん物質又は発がん性の疑いのある物質として分類されている。これらの物質の取扱い及び廃棄に当たっては,国の定める健康及び安全規定を厳守しなければならない。
この規格に記載されている物質を取り扱う際に安全で適切な技法を用いることは,この規格の使用者の責任である。安全データシート,取扱い推奨事項などの詳細については製造業者に相談する。
注記 国家及び地方政府の定める安全規定として,化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律,
7 試薬
特に明記しない限り,試薬級の化学薬品を使用する。
7.1 キシレン(異性体の混合物)CAS No. 1330-20-7
7.2 アセト二トリル
7.3 メタノール 7.4 t-ブチルメチルエーテル
7.5 くえん酸/水酸化ナトリウム緩衝液 pH6,c=0.06 mol/L 1)
注1) cは,くえん酸濃度。
7.6 亜ジチオン酸ナトリウム水溶液 ρ=200 mg/mL 2) を用時調製し,1時間以内に使用する。
注2) ρは,質量濃度。
7.7 けい藻土
7.8 アミン標準物 表1に示すアミンNo.1〜No.4,No.7〜No.21,アニリン及び1,4-フェニレンジアミンで,入手可能な最も純度の高い標準品。
7.9 標準溶液
7.9.1 アミンのストック溶液 適切な溶剤1 mL中にそれぞれのアミンを300 μg以上の濃度に調製した溶液。 注記 アセトニトリルは,安定性がよく,アミンのストック溶液に適切な溶剤である。
7.9.2 日々のアミン校正溶液 7.9.1のストック溶液を溶剤1 mL当たりそれぞれのアミンが15.0 μgの質量濃度(ρ)に希釈した溶液。
7.9.3 定量用アミン校正溶液 溶剤1 mL当たりそれぞれのアミンの質量が2 μg〜50 μgの溶液。ガスクロマトグラフを使用する場合は,注入前に1 mL当たり10 µLの内部標準溶液(7.9.4)を添加する必要がある。 注記 各試験実施機関の責任において適切な校正濃度を選定するのがよい。
7.9.4 内部標準溶液(IS) 溶剤1 mL当たり内部標準が1.0 mgの質量濃度のもの。ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC-MS)の場合は,次のいずれかの内部標準の一つを使用する。 − IS1:ナフタレン-d8,CAS No.1146-65-2 − IS2:2,4,5-トリクロロアニリン,CAS No.636-30-6 − IS3:アントラセン-d10,CAS No.1719-06-8 7.9.5 後半に溶出するアミンの内部標準溶液:ベンジジン-d8,CAS No. 92890-63-6 ρ=0.5 mg/mLのベンジジン-d8溶液 ベンジジン-d8(CAS No.92890-63-6)は,ガスクロマトグラム後半に溶出するアミン(10.5)への妨害に対する適切な内部標準物質である。 7.10 水酸化ナトリウム水溶液 質量分率10 %。
7.11 水 ISO 3696に規定する3級。
8 装置
8.1 抽出装置 抽出装置は,図1の構成要素からなり,次のものを用いる。 同様の結果が得られるものであれば,類似の装置を使用してもよい。JIS L1940-1 pdf download.