JIS Z8521-2020 pdf download.人間工学−人とシステムとのインタラクション− ユーザビリティの定義及び概念
4 ユーザビリティの根拠及び効用 ユーザビリティは,対象とするシステム,製品又はサービスとユーザとのインタラクションにおける効果,効率及び満足で表す。
システム,製品又はサービスを設計する場合,
− ユーザビリティが予想より低い場合,対象ユーザはシステム,製品又はサービスを利用できない,若しくは利用したがらない可能性がある。
− ユーザビリティが十分な場合には,システム,製品又はサービスは,私的,社会的及び経済的利益をユーザ,雇用者及び供給者に提供する。
− ユーザビリティが期待より高い場合には,システム,製品又はサービスには競争的な優位性がある(例えば,顧客維持又は特別価格で購入する意思がある顧客の確保)。
適切なユーザビリティがもたらす具体的な恩恵は次による。
− 組織の運用効率への貢献 − 顧客相談窓口などの顧客支援費用の削減
− 多様な特性をもつ人々にとってのユーザビリティの向上(6.6.2参照)
− 持続可能性への貢献(JIS Z 26000:2012及びISO 27500:2016参照)
− 個人,社会又はビジネスにとって望ましくない結果が生じるリスクの低減
− ブランドイメージの向上などによる競争優位の確保 システム,製品又はサービスの使用に起因するユーザビリティを仕様化し,設計し,評価する際,その目的は,効率,効果及び満足を,仕様に合ったレベルにすることである。特定のレベルのユーザビリティを実現することの潜在的な影響(ビジネス,組織,個人又は社会)を推定することで,開発に必要な労力を調整することが可能である(ISO 9241-210:2019を参照)。 注記 文献[29]は,ユーザビリティのための開発作業のコストの妥当性に関する情報を提供する。
5 特定の利用状況におけるユーザビリティ
5.1 ユーザビリティの概念 ユーザビリティとは,特定のユーザが特定の利用状況において,システム,製品又はサービスを利用する際に,効果,効率及び満足を伴って特定の目標を達成する度合いである。 図1においては,システム,製品又はサービスを,ユーザ,目標及びタスク,資源並びに環境で構成される利用状況の内側に示し,効果,効率及び満足で構成されるユーザビリティを利用の成果として示している。 注記 ユーザビリティの構成要素は,6.2,6.3,6.4及び6.6で詳細に説明する。JIS Z8521 pdf download.