JIS B 9938-2019 pdf download.油圧−難燃性作動油−使用指針
油圧システム−火災の危険性
3.1 一般 油圧システムにおける最高運転圧力は,
40 MPa以上になることもある。そのため,システムの構造に何らかの欠陥があり,破裂が起きる,又は少量の油漏れであっても,重大な火災を引き起こす可能性がある。
3.2 危険発生要因 システムからの油漏れの主な原因は,配管(ホース,継手及び結合部),油圧機器及びシール材の不具合であり,この種の不具合が最も発生しやすいのは,油圧システムの試運転中又は修理後である。 このような状況下での油圧作動油の使用によって,次に示す火災発生の危険が生じる。いずれの場合でも,
3.3に列挙する着火源によって燃焼が起こる。
a) 油圧システムから加圧下で噴出される噴流,しぶき又は霧状の油圧作動油の燃焼。
b) 作動油から発生する可燃性蒸気の燃焼。
c) 輸送中にこぼれたり,油圧システムから布及びほこりのような作動油を吸収する材質に漏えいした作動油が燃焼し,次に作動油が染み込んだ布及びほこりに広がる燃焼。
d) 流れている又は,た(溜)まっている作動油の燃焼。
e) 使用によって生じた化学的又は物理的変化によって難燃性が低下した作動油の燃焼。
例1 含水系作動油における水分の蒸発又は分離による難燃性の低下
例2 鉱物油などの可燃性物質で汚染された難燃性作動油の燃焼
3.3 着火源 着火源を次に列挙するが,これらに限定されない。
a) 静電気の放電。
b) 故障した電気機器からの迷走電流,放電による高い表面温度,又は火花。
c) 通常運転状態(例えば,ブレーキ),又は不具合状況下でのしゅう動面の摩擦による高い表面温度。
d) 熱い溶融材料又は高温の製造作業下にある材料の高い表面温度。
e) 切断,溶接,研磨のような製造作業での火花,及び裸火。
f) 超音波放射及びマイクロ波放射のような音響エネルギー及び電磁エネルギー。
4 油圧システム−一般的な予防処置 4.1 組立作業 油圧装置の組立作業は,資格をもつ専門家が実施及び管理を行わなければならない。油漏れのリスクが最も高いのは,新しいシステム組立後の試運転中,又は修理後の試運転中である。
4.2 配管及びホース 配管及びホースは,振動の影響が最も小さくなるような方法で据え付けて固定しなければならない。機器の配置,配管及びホースの取回しは,配管及びホースの物理的な損傷,特にホースの擦切れが起こらないように考慮する。可能な限り,配管は,他の設備,特に高電圧電源に隣接して設置しないことが望ましい。
4.3 シール及びガスケット シール及びガスケットの材料は,作動油に適合性のあるものを使用しなければならない。作動油に適合性のないものを使用すると不具合を生じ,噴流又はスプレー状に作動油が噴出し,急速な作動油の損失をもたらすとともに,火災のリスクが大幅に増大する。JIS B 9938 pdf download.